気になる犬種ごとに見られがちな病気や平均余命

一般社団法人ペットフード協会の「平成27年全国犬猫飼育実態調査」によれば、超小型犬の平均寿命は15.67歳、小型犬では14.62歳、中・大型犬は14.02歳、全体の平均は14.85歳となっています(*2)。

一方、東京大学とアニコム損害保険株式会社とが、2010年4月1日から2011年3月31日にかけてペット保険契約をした29万9,555頭(この期間内の死亡数4,169頭)の犬を対象に余命や死因について共同調査をしたところ、体重5kg未満の犬の平均余命は13.8歳、5~10kgの犬は14.2歳、10~20kgの犬で13.6歳、20~40kgの犬は12.5歳、40kg以上の犬の場合は10.6歳、全体的な平均余命は13.7歳という結果になったそうです。

死因については、老齢(老衰)以外でもっとも多いのは腫瘍であり(特に大型・超大型犬に多い)、次いで循環器系疾患(トイ犬種グループに多い)、泌尿器系疾患、消火器系疾患、神経系疾患の順。

4歳以降では徐々に死亡する確率が高くなっていきますが、3歳までの間では特に1歳での死亡率がもっとも高く(*3)、前出のKCの健康調査でも0~1歳時に何らかの病気を発症しているケースが目立つことから、1歳というのは注意を要する年齢だということがわかります。特に皮膚系疾患や消化器系疾患、骨格系疾患などは、他の疾患と比較して0~1歳時で発症する割合が高くなっています(*1、*4)。

ただし、ボーダー・コリーやウィペットのような犬種では何らかの病気発症は2歳時がもっとも多いという結果になっていますので、その犬種にありがちな病気や特性については考慮したほうがいいでしょう(*1)。

より健康的に愛犬の寿命を延ばすために

平均的には純血種よりミックス犬のほうが長命で、避妊去勢している犬はそうでない犬に比べて同様に長命だと言われます。人間でも現在より20年以上寿命を延ばす、または若返りの研究というのが折に触れ話題となりますが、犬でもその結果が人間の生命環境につながるかもしれないということもあり、延命テーマの研究が行われています。

アメリカにおいては、ラパマイシンという臓器移植反応を抑制する効果のある薬剤を用いた研究も行われているようです。この薬剤には寿命を延ばすばかりでなく、病気や老齢による機能低下を遅らせる効果もあるのではないかと考えられ、老齢のマウスに10週間それを投与してみたところ、心機能が向上したということから、犬にもそれが期待できるかどうかを研究とのこと(*6Dog Aging Project)。

自然のままに命をまっとうさせてあげたい、いや、薬剤を使用しても少しでも寿命を延ばしてあげたい。それは人によって考え方は分かれるところでしょうが、それはさておき、私たちが愛犬のためにしてあげられることは、シンプルな日々のケアの積み重ねでしょう。食事内容を吟味する、適度な運動と刺激、健康管理、コミュニケーション、生活環境。どれが欠けても愛犬の健康に影響します。

意外に軽く考えられがちなのが、肥満と歯の問題。昨年、日本獣医生命科学大学の研究グループによって犬猫のメタボ診断基準を作成したことが発表されました(今年の秋以降から東京都獣医師会に加盟する動物病院で適用予定ということ)。それだけ肥満リスクを抱えるコたちが多いという表れでもあるでしょう。歯に関しては、口の中をチェックし忘れることもよくあるため、1日に1回くらいは歯の状態を確認することをお勧めします。できれば病気や寝たきりにはならないのが一番ですが、命そのものの寿命を延ばすというより、健康寿命を延ばせるように気配りしてあげたいものです。

注)「平均寿命」「平均余命」「死亡時年齢平均」は、厳密には意味が違うため、記事中では敢えて原本に則った表記を使用しています。

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